外部電源真空管式ヘッドフォンアンプ半導体部分
外部電源を使用すればなんの制約もなくいろいろ出来ますので多くの機器が接続できるよう設計します。想定する入力
信号は以下の通りです
・USB:パソコンから
・S/PDIF:CDプレーヤ、パソコンから
・アナログ:メディアプレーヤ、SACDプレーヤから
・PHONO:MMカートリッジから
電源は100VACから取るのが普通ですが電源トランスから出力トランスへのフラックス干渉が懸念されます
ので、12VDCアダプターからDC-DCコンバータで高圧電圧を作る方式も製作します。
パソコンからのサンプリングレートが不定ですのでいろいろな周波数に対応できるようにする為、およびジッタがらみ
の音質変化を排除する目的でサンプルレートコンバータを搭載することを軸に考えます。
1)サンプルレートコンバータ部分
採用するサンプルレートコンバーですが入手可能で高性能な「SRC4392」とします。このICは最高216KHzまでと
1:16の周波数比に対応可能ですので、DACへの出力を192KHzとすると12.25KHzのサンプリング周波数入力
まで対応可能ですので大体たいじょうぶでしょう。またS/PDIFの信号インターフェイスを4系統備えています。
2)USB部分
今回も入手容易でパソコン側にドライバーのインストール不要ですむ「PCM2704」を使用します。DAC部分
は他に高性能のものを搭載しますのでDACは使用せずS/PDIF出力信号を使用します。48KHzまでしか対応できません
のでこれ以上は同軸入力で対応します。
3)S/PDIF部分
光入力と同軸(75Ω)とを用意しました。光は96KHzまで、同軸は192KHzまで対応します。バランス端子は
取り付けスペースが無い為、対応しない事としました。
4)基準発振器部分
カタログスペック、1(ps)の製品を採用しました。基板実装状態で測定してみましたが当方所持のタイムインターバル
アナライザーは分解能25psですのでカタログスペックの性能が出ているかは判定不能でした。
3)DAC部分
かなり自由に選択できる部分ですので以下の4点を採用しました。(括弧内はサンプリング周波数)
・PCM1796:程ほど高性能(192KHz)
・TDA1541/A:音質に定評があり採用機種はそれなりに高価(96KHz)
・FN1242A:製造会社独自の方式で採用機種も少ないのでとりあえず聞いてみたい(192KHz)
・PCM1710:在庫がありアナログ部分も簡単なので安価に作れる(64KHz)
4)イコライザー部分
基板面積に制約があるのでオペアンプ1コですませます。ゲインとDCオフセット、入力電流との兼ね合いから
MMカートリッジのみの対応としました。
5)入力信号切り替え部分
セット製作時にSW取り付け場所をとらないよう最小構成を考えます。
「USB、S/PDIF光、S/PDIF同軸」の切り替えはSRC4392の内部レジスタを操作すればいいのでマイコンによる
自動切換えとします。入力のあるラインを有効にします。
「PHONO-AUX」の切り替えは、3.5Φジャク内臓のSWを利用します。プラグを挿さないときはPHONO、挿したとき
はAUXです。
デジタル入力とアナログ入力との切り替えはスライドSWで行います。以上により5系統の切り替えをロータリーSW
を使用せずに実現しました。
以上の内容をブロック図化すると下記になります。
PCM1796 DC-DCコンバータ付基板
TDA1541 DC-DCコンバータ付基板
FN1242A DC-DCコンバータ無し基板
信号入力部分
試作’45
Ver1.0 2012・07.07